2007年3月7日水曜日

刑事裁判に被害者が参加する制度が来年秋から

 刑事裁判のときに、被害者が法廷の内側(検察側の席)に入れること、加害者に直接質問することができること、被害者が加害者に独自の求刑をすることができること、これらが裁判員制度に先行して、来年秋から施行されるように法案が準備されているそうです。

 一昨日の読売新聞の記事では、それらに一石を投じる記事が掲載されていました。被害者側が組織した研究会だと思いましたが、その被害者側の視点からこの新制度を考えた場合ですら、被害者の感情的な裁判の展開になり、冷静な議論(正当な刑事裁判)がしずらくなるのではないか野様な懸念でした。

 実は私もそう思います。仮に新制度が運用された場合、被害者側は刑事裁判のことを勉強し、相手の責任を追求するなり、事後に行われる民事裁判への布石を打つなど、戦略を頭にいれながら、訴訟参加制度を利用しなくてはいけないと思います。

 そうでないと、刑事裁判そのものが、単に被害者が加害者に怒りや不満を訴えるだけで、判決は訴訟類型の一つとして処理され、被害者感情を酌みいれたように振舞うだけの判決になってしまう可能性が大きいと考えられます。

 また、その被害者を支援する側の心構えも大切です。大きな事件の場合は、被害者団体が後ろ盾をすることがありますが、組織の資質によっては、まるで組織の代理裁判をしているかの様相を呈してしまうことがあります。被害者を支援する側の心構えとしては、被害者の主張をよく聞き、それらをどのように話を持ちかけたら(働きかけたら)刑事裁判がうまく進行され、心の整理がつき、少しでも被害者の主張を組み入れた判決を得ることができるかの支援をすることが大切です。あくまでも、被害者とご家族が主人公の裁判進行を支援していかなくてはいけません。

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