2007年1月23日火曜日

刑事和解(犯罪被害者保護二法関係)

刑事和解(犯罪被害者保護二法関係)

 最近新しくできた法律らしく、刑事裁判後に加害者が逃亡を図ったり、無資力(賠償能力)が無いために裁判を起せない(起しても意味がない)場合に、刑事裁判中に、民事の和解に相当するような、拘束力のある和解をすることができる制度があるようです。

 損害賠償や交通事故に詳しい弁護士さんや報道記者さんにこの制度のことを尋ねましたら、「何件か 携わったのを知っているが、取扱いが難しそうだ。原告・被告側の弁護士に相当な能力が要求される」旨の話をされていました。

 結論から申しますと、交通事故で重度後遺障害になっても、この制度を利用すると、思わぬ低額の賠償金で済んでしまうかもしれません。単純に加害者が無資力かつ無保険であっても、加害者側会社・家族の自動車保険で責任を負えたり、また、被害者ご自身ご家族が加入している自動車保険の人身傷害や無保険車障害保険が使えたりする場合があるからです。

 現在の刑事裁判では、被害者に誠意を示すために、刑事裁判になってから急に謝罪や見舞いが来ることがあります。これからは、ひょっとすると、「加害者は自賠責にしか入っておらず〇〇円なら出せます」とか言い、ちょっとまとまった一時金で和解を打診してくるかもしれません。被害者ご家族は、精神的にも経済的にも窮することがありますので、少しまとまったお金があると、さっと手を出してしまう恐れがあります。

 交通事故の重度後遺症事案においては、基本的に刑事和解の制度に応ずる必要はないと思います。そのような事態になったとき、なりそうなときには、被害者団体や、弁護士さんに相談してみたほうが良いでしょう。

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